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株式投資

【新たな投資判断材料?】ここ最近注目されている「ESG」とは何か?

2019年11月30日

こんにちは。TATです。

今回は「ESG投資」について解説します。

「ESG投資」という言葉を聞いたことありますでしょうか。

「ESG」とはEnvironment(環境)・Social(社会)・Governance(ガバナンス)の頭文字をとって作られた言葉です。

従来では、財務情報などをもとに会社を分析して投資判断がなされていましたが、最近では、財務情報に加えて、ESGも投資判断に重要な役割を果たしています。

ESGについてはこの後詳しく解説していきますが、今回お伝えしたいことを要約すると、「最近では、いくら財務情報が素晴らしくても、ESGへの取り組みがしっかりしていないと投資対象から外される可能性がある」ということです。

特に年金基金などの巨額資金を運用する機関投資家もESGを重要視していることから、企業価値を上げるためにも、企業はESGへの取り組みを考えていかなければいけなくなっています。

このような背景もあって、ESGの存在感は日に日に大きくなっています。

ここでは、「ESG投資」について詳しく解説するとともに、企業のESGへの取り組み事例や、今後の展望(あくまで私の意見です)について書いていこうと思います。

【新たな投資判断材料?】ここ最近注目されている「ESG」とは何か?

1. ESGとは

まずはESGについてもう詳しく解説していきます。

前述の通り、「ESG」とはEnvironment(環境)・Social(社会)・Governance(ガバナンス)の頭文字をとって作られた言葉です。

それぞれ具体例を挙げるとこんな感じです。

  • Environment(環境)→ CO2削減、プラスチック使用廃止など
  • Social(社会)→ 在宅勤務導入などの働き方改革、ジェンダーギャップの是正、ダイバーシティの促進、教育産業への投資など
  • Governance(ガバナンス)→ 積極的な情報開示、経営の透明性、社員の不正がないなど

ざっくりこんな感じです。

これらの具体例を見ると、それぞれが何を示しているのかは想像がつくかと思います。

Environment(環境)

Environment(環境)は、CO2の削減などの環境問題への取り組みです。

もともと、環境問題への意識は世界中で重要視されてきましたが、近年だとトランプ大統領になってから環境問題への取り組みが放棄されているような状況にあります。

持続可能な社会を実現するためには、この環境問題への取り組みは必須であり、ゆえに企業ごとに環境問題への取り組みの意識が大きくなってきています。

そして機関投資家もこれらの取り組みを投資判断として利用していくようになってきました。

Social(社会)

Social(社会)は、働き方改革やダイバーシティの促進など、社会をより良くするための取り組みです。

CSR(企業の社会的責任)などと呼ばれたりもしています。

最近では、日本政府も働き方改革に力を入れており、在宅勤務の導入や育児休暇の拡大などを積極的に導入するように企業に促しています。

こういった取り組みにきちんと向き合っているかどうかも、投資する際には重要視される場合があります。

Governance(ガバナンス)

Governance(ガバナンス)は、企業統治に関する取り組みです。

積極的な情報開示や経営の透明性などが例になります。

また、社員による横領や経営陣の不正などがあると、「あの企業がガバナンスがしっかりしていない」と見られるようになり、投資対象から外されます。

大体の場合、このようなことが発覚すると株価も信頼も爆下がりするので、企業としては、そもそもこのような問題が起こらないように、健全な経営をすることが求められます。

最近は社外取締役を積極的に迎え入れる企業が増えてきていますが、これも立派なESGと言えます。

ESGはヨーロッパで広がった

ちなみにESGは最初ヨーロッパで広がった考えなようです。

ヨーロッパ企業は環境問題への取り組みがかなり進んでいますから、このような考えがアメリカや日本にも普及してきたといった具合です。

2. ESG投資とは

ここまでで、「ESGとはなんぞや」ということについてはお分りいただけたと思います。

簡単にいうと、環境問題に取り組み、社員に働きやすい環境を提供し、健全な経営をしているか、ということを見る指標です。

これらの取り組みをしっかりしていないと、投資家からお金が集まらなくなってしまいます。

そして前述の通り、最近では、年金基金などの機関投資家もESGを重要視するようになってきているので、企業のESGへの取り組みは必須となりつつあります。

これまでは財務が健全でぐんぐん成長していれば企業価値は上がりましたが、これからはこれに加えて健全な経営や環境への取り組みも見られるようになります。

これらにしっかりと取り組んでいないと企業価値が上がらなくなってしまうのです。

このように金融システムを利用すれば、社会全体が良い方向へと進むように促すことができます。

そして投資家がESG投資を行う際には、ざっくり次の3つの考え方に分かれます。

  • ESGへの取り組みがしっかりしていない会社を投資対象から外す
  • ESGへの取り組みがしっかりしている会社に加点する
  • ESGへの取り組みがしっかりしていない会社を減点する

機関投資家が投資先を選定する際には様々な基準があります。

ESGだけで投資判断を下すということはまずないので、様々な投資基準を設け、その一つとしてESGを組み込んでいる場合がほとんどです。

ESGへの意識が高い機関投資家ですと、「そもそもESGへの取り組みがしっかりしていない会社は投資対象としない」とする場合さえあります。

ほとんどの場合はESGへの取り組みが良ければ加点、悪ければ減点といった使い方のようです。

それでも今後の動向によってはESGの重要性がますます高まる可能性は十分に考えられます。

そうなってくると、「そもそもESGへの取り組みがしっかりしていない会社は投資対象としない」という機関投資家が増えるかもしれません。

3. ESGの取り組み事例

ここまで、ESGとESG投資について見てきましたが、ここからは具体的な事例を見ていきましょう!

ニュースを見ていてもESGという言葉を頻繁に見かけるようになりました。

 

私が最近印象に残ったのは日清です。

日清といえばカップヌードルですが、このカップヌードルに使われるプラスチック容器が植物性プラスチックに切り替えられたり、さらにカップヌードルに入っている謎の肉は、大豆たんぱくを原料に使用した環境配慮型食品であったりと、環境問題への意識はかなり高い企業です。

インタビュー記事を載せておきますので、もしご興味があればご覧ください。

日清食品ホールディングス・安藤社長「“カップヌードル進化論”でプラ削減」

インタビューについては、テレビでも見ましたが、社長の安藤さんはかなりESGへの意識が高いなと感じました。

この他にも、セブン銀行やキャノン、日本マクドナルドなどのように、公式サイトでESGの専用ページをもつ企業も増えてきています。

セブン銀行

キャノン

日本マクドナルド

 

また第一生命では、機関投資家としてESG投資へ取り組んでいます。

第一生命のESG投資について

このように、ESGへ取り組む企業は日本国内でも確実に増えてきています。

 

そもそも日本の株の6割以上は海外投資家によって売買されています

彼らの方がESGにはかなり積極的になっているので、彼らに投資してもらって企業価値を高めるにはESGへの取り組みは必須となります。

基本的に海外投資家から投資してもらうために、ここ最近の日本企業は積極的です。

その一例が、自社株買いの増加です。

海外投資家は特にROEを重視する傾向にありますが、日本企業は海外企業に比べるとROEが低いのです。

ROEをあげるための対策の一つが自社株買いになります。

詳しくは、過去の記事でもご紹介しているのでそちらをご覧いただくとして、このように海外投資家の影響はかなり大きいということがお分りいただけると思います。

【株主還元につながる?】自社株買いの特徴やメリット・デメリットを解説!

もともと大量の現金を蓄えていることの多い日本企業は、自社株買いを容易に実施できるといった背景もあります。

4. 最近のトレンドはプラスチックとビニール規制

そして最近、ESGに関して世界中で話題になっている問題があります。

それがプラスチックとビニールの規制です。

スターバックスがプラスチックのストロー廃止を決定したのを機に、世界中でプラスチックの利用を減らす動きが加速しました。

さらにスーパーなどでもらえるビニールについても有料化の動きがあり、これはまさしく環境問題を意識した取り組みです。

政府も積極的に促進していますよね。

このような状況で、プラスチックやビニールの規制に取り組まない企業があれば、今後、機関投資家に投資対象から外される可能性が出てきます。

ゆえに各企業は積極的にプラスチックの廃止やビニールの利用中止や有料化に取り組んでいます。

5. 今後もESG投資の存在感はますます大きくなる!

さて、ここまでESGやその事例についてご紹介していきました。

最後に今後の展望について、私なりの意見になってしまいますが、書いていこうと思います。

結論から申しますと、「今後もESGの重要度はますます高まっていくだろう」と思っています。

アメリカは、トランプ大統領になってから環境問題への取り組みが無視されるようになってきたので、各企業が自らどんどんESGに取り組むようになってきています。

機関投資家もこの取り組みを評価して投資先を判断するようになってきているので、ますます重要になっています。

 

さらに日本では働き方改革が積極的に行われているので、これらにしっかりと対応していくことも企業価値を高めることには重要になってきます。

先日、不適切な会計処理があったJDI(ジャパンディスプレイ)のような企業は、たとえ業績が絶好調(悪いですけどねw)でも投資対象から外されることも出てきます。

ゆえにこれからは、企業はただ成長するだけでなく、社会的な役割を積極的に果たしていくことがとても重要になってきます。

さらに最近だと、大手金融情報サービス会社であるBloombergは、ESGへの取り組みを数値化する指数の開発などにも取り組んでおり、ESGにはかなり積極的です。

ESG投資への需要とともに高まる高品質データの必要性

このような大企業がESGに関するニュースや指数を出しているということは、世界的にESGへの注目度が高まっているということを意味します。

このような動き方、ESGの重要度は今度もますます高まっていくだろうと思っています。

個人投資家の方でも、これからはESGにも着目して投資先企業を選定すると良いかもしれません。

特に株価が大きく動くのは、機関投資家が動いた時なので、彼らがESGを重要視しているのであれば、こちらとしてもしっかりをチェックしておいた方が良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ここでは、ESGについてご紹介してきました。

「ESG」とはEnvironment(環境)・Social(社会)・Governance(ガバナンス)の頭文字をとって作られた言葉です。

従来では、財務情報などをもとに会社を分析して投資判断がなされてきましたが、最近では、財務情報に加えてESGも投資判断に重要な役割を果たしています。

特に年金基金などの巨額資金を運用する機関投資家もESGを重要視していることから、企業価値を上げるためにも、企業はESGへの取り組みを考えていかなければいけなくなっています。

つまり、これからは企業はただ成長するのではなく、社会的な役割を果たしていくことが重要視されていきます

今後もESGの重要性はますます強くなっていくものと思われるので、投資先を判断する際にはESGについても検討してみても良いかもしれません!

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