今回は、タイトルの通り、損切りについて書いていこうと思います。
投資に関する多くの書籍で「損切りの重要性」について紹介されています。
また「損切りは必要ない」と主張する書籍も存在します。
私が思うに、損切りについての考え方は「投資戦略に依存する」と言わざるを得ません。
ひたすら長期保有して配当や株主優待をもらうことが目的であれば損切りについて考える必要はあまりありません。
しかし売買益を目的とした株式投資をするのであれば、ある程度の損切りのルールを設定するべきだと思っています。
この基準については投資の期間(スキャルピング、デイトレード、スイングトレード、長期トレードなど)によって変わってきます。
また現物取引か信用取引かでも変わってきます。
したがいまして、全ての状況に当てはまる損切りのルールを決めるということはなかなか難しくなります。
重要なのは、自分の投資戦略に応じて、やるかやらないかも含めて適切な損切りルールを設定することです。
ここでは損切りの重要性や、私が実践している損切りルールなどについてご紹介します!
目次
【損切りできない方へ!】「損切り」の必要性について力説します【僕の損切りラインも公開】
損切りとは
まずは損切りについて簡単に説明します。
損切りとは「含み損を抱えている株を売却して損失を確定させること」です。
逆に含み益を抱えている株を売却して利益を確保することは利益確定(通称:利確)と呼ばれます。
損切りには、それぞれの投資家によって無数のルールがありますが、共通する目的は「これ以上の損失を防ぐ」ことにあります。
つまり、この取引については負けを認めるといったところです。
売買益を目的とする投資であれば損切りは必須
損切りの必要性については、様々な意見があります。
本によっては「損切りは必要ない」と主張しているものもあります。
ただ私個人的には「売買益を目的とする株式投資をするのであれば損切りは必須である」と考えています。
この根拠についてはこれから順番にご紹介していきます。
私が損切りをおすすめする理由
まずは私が考える「損切りをおすすめする理由」について解説していきます。
下落する株には必ず原因がある
これはもはや言うまでもないかと思いますが、株価が下落する際には必ず何かしらの原因があります。
原因については無数のパターンがありますが、ざっくりと分けるとファンダメンタル要因、テクニカル要因、外部要因に分けられます。
ファンダメンタル要因は、業績予想が下方修正されたり、決算が芳しくなかったりなど様々です。
テクニカル要因は、例えば、主要な指標で売りのシグナルが出現する、トレンド転換のサインが出るなどが挙げられます。
もう一つの外部要因は、政治的な要因(ブレグジットなど)、地理的な要因(戦争など)、心理的な要因(投資家のリセッションへの不安など)などです。
いずれにしても、株価は何の理由もなく下落するということはないということです。
下落には必ず原因があります。
なかには「現状としては◯◯だから株価の下落は一時的なものに違いない」といって、株価を保有し続ける方もいると思います。
個人的にはこのような考え方は危険です。
私は、市場が常に正しいという考えを持っています。
いくら「◯◯だから今後上昇するに決まってる」と思っても、実際に株価が下落してるならそれが正しいのです。
実際に下落してますからね。
基本的には「市場は常に正しい」と考えて、それに対する要因を考えていくべきであると考えています。
この流れを逆にすると普通に市場から裏切られますw
ゆえに、売買益を目的とする株式投資をしているのであれば、プライドなどは捨てて、市場の動きが常に正しいと考えていくべきだと思っています。
こう考えると、株価がある程度下落して含み損が膨らんできた際には損切りについて考えることは必須であると考えることはできるようになります。
「市場は常に正しい」と考えるべきです。
【投資で勝つ思考法!】マーケットは常に正しく、間違っているのは自分である
含み損を抱えていると精神的ダメージが大きい
そして損切りをおすすめする次の理由が、「含み損を抱えていると精神的ダメージが大きい」ということです。
当然といえば当然ですが、保有銘柄を見るたびにずっと損失を抱えている銘柄があると結構なストレスになります。
「ここまで下がればもう上がるでしょ」と祈りつつ、「これ以上下落したらどうしよう」と不安を抱えることは、自分では気付かずとも精神的に大きなストレスになります。
個人的な経験を含めてこれは結構ダメージが大きいです。
こういうストレスを抱え続けるくらいなら、ある程度損失が膨らんだ時点で、潔く負けを認めて損切りをしてしまった方が精神的には楽になります。
「潔く負けを認める」ということも株式投資で勝ち続けるためには大事なポイントです。
気持ちを切り替えて次の投資チャンスを探した方が気持ち的にはかなり楽になります。
10%下落した株を取り戻すにはそれ以上のリターンが必要
私が損切りをおすすめする理由の最後が、「10%下落した株を取り戻すにはそれ以上のリターンが必要である」ということです。
これは簡単な算数の問題ですが、10%下落した株価を取り戻すにはそれ以上の上昇が必要であるということです。
簡単な例で見てみましょう。
わかりやすく、A社の株を1株1,000円で100株購入したと考えます。
つまり合計で10万円です。
このとき10%下落したら株価は900円になります。
では、この900円の株価が1,000円に戻るには何%の上昇が必要になるのでしょうか。
ここから10%上昇しても990円となり、1,000円には戻りません。
つまり元の1000円に戻るためには、下落した値よりも多くの上昇率が必要になります。
この場合、1000円に戻るためには約11.11%の上昇が必要になります。
損失が大きくなると、株価を戻すために必要な上昇率も大きくもなります。
- 10%の下落 → 約11.11%の上昇が必要
- 30%の下落 → 約42.86%の上昇が必要
- 50%の下落 → 100%の上昇が必要
こう見ると損失を取り戻すのが結構きつそうに見えますよね。
やはりある程度の含み損が発生した場合には、株価の上昇を待つよりも、潔く諦めて損切りをしてしまった方が合理的といえます。
投資で勝ち続けるためには「儲ける方法」よりも「損しない方法」が重要です
あなたが損切りできない理由
ここまで、私が損切りをおすすめする理由を紹介してきました。
ここまでの内容を見ると、「やっぱり損切りは大事かも」と思ってくださる方も多いかと思います。(多いと信じています)
しかし実際のところは、「損切りが必要であることはわかっていても、いざとなるとなかなか損切りできない」という方が多いように感じます。
いざ損失を確定する、つまり敗北を認めるということは、頭でわかっていてもそう簡単にはできないんです。
この原因は簡単で、「これから上昇するかもしれないと心のどこかで信じている」、「負けを認めたくないプライドが邪魔をする」などが挙げられます。
つまり気持ちの問題ですね。
こういう気持ちが心のどこかに存在していると、いざ損切りの場面に遭遇しても、あらゆる考えが頭をよぎってしまい、結局は損切りができずにズルズルと損失が膨らんでしまうといった状況に陥ってしまいがちです。
これを克服するためには、何かしらの対策が必要です。
投資で損切りできない理由をプロスペクト理論から考える
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逆指値を利用した損切りを実施するコツ
ここからは、ためらわずに損切りを実施するコツをご紹介します。
まず、損切りをするにあたって、私から最初にお伝えしたいことが、「感情をコントロールすることは困難である」ということです。
損切りの重要性はわかっていても、いざとなったらできないという方は多いです。
この対策としては次の2つがあります。
- 己の感情を消す。
- 感情を必要としない手法を利用する。
感情をコントロールすることは困難
1つ目は「己の感情を消す。」ということです。忍びのような考えです。
本などに「あらかじめ損切りのルールを設定して、基準を満たしたら機械的に損切りを実施する」などと書かれています。
要は「最初に損切りルールを作って、あとは何も考えずにそのルールに従いなさい」ということです。
これはかなり簡単なように聞こえますが、前述の通り、いざ損切りの場面になると色々な考えが頭をよぎってしまい、なかなか実行できなくなります。
人間の感情はそんな簡単にはコントロールできません。
したがいまして、この方法は現実的とはいえません。
むしろこれで損切りがすんなりできれば損切りに悩む人はいなくなりますw
逆指値を利用すると気持ちが楽です。
次の方法が「感情を必要としない手法を利用する」というものです。
これは条件を満たした瞬間に機械的に損切りを実施するということです。
具体的には逆指値を利用した損切りになります。トレーリングストップなどもありますが、個人的には逆指値を利用した損切りがおすすめです。
逆指値とは、「あらかじめ設定した株価まで下がったら自動的に売却する」という注文方法です。
株を買うタイミングでこの逆指値を設定しておけば、その株価になった瞬間、問答無用で損切りが実施されます。
余計は感情が入ることはありません。(というより感情が入る隙がありませんw)
こうすることで、ためらいなく損切りを実施することができます。
損切りの1番の的な己の感情です。
したがって、この感情を使わずに損切りが実施できる方法がベストであるといえます。
その方法として、逆指値を利用した損切りはとてもおすすめです。
最初に損切りのラインを設定しておけば、あとは注文時に逆指値をセットすれば全て完了です!
私の損切りラインを公開します。
ここまで、損切りの必要性やおすすめの実施方法などについて解説してきましたが、最後に私が実施している損切りラインを公開したいと思います!
めちゃめちゃシンプルです。
それは「購入時より株価が8%下落したら問答無用で損切りする」というものです。
多くの本では「株価が10%下落したら損切りしたら損切りする10%ルール」が紹介されています。
これを採用してももちろん良いのですが、私の場合は少し厳し目に8%という損切りラインを設定しています。
そしてこの損切りラインについては基本的に例外はありません。(ただし株主優待や配当目当ての長期投資の株についてはこれを設定しない場合もあります。)
いかなる株においても株価が8%下落した時点で問答無用で損切りを実施します。
最近は、損切りに慣れてきたので逆指値をわざわざ注文しないこともありますが、基本的には購入時に逆指値を入れています。
そしてこちらの損切りラインについては、私がバイブルとして崇めている本を参考にしています。
数ある本の中でも私が最も参考にしている本の1つです。
元々は、私も10%ルールを設定していましたが、こちらの本を含めてあらゆる本を読んで、買いのタイミングがかなり固まってきたことで損失を被ることが減ってきたので、損切りラインを少し厳しくして8%に設定しました。
今後もこの損切りラインは守っていくつもりです!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ここでは損切りについて、損切りの必要性、損切りがなかなかできない理由、おすすめの損切り方法、さらに私が利用している損切りラインについてご紹介してきました。
この記事を読んで、「損切りの必要性」について少しでも共感いただければ嬉しいです。
株式投資で勝ち続けるためには損切りはとても重要です。
損失がある程度膨らんだら、潔く損切りして次に進みましょう。
含み損を抱えているとストレスになるので、スパッと切り捨てることも重要です。
「いざとなってもなかなか損切りができない」という方は、逆指値を利用してある株が設定した株価に達したら問答無用に損切りするというやり方がおすすめです。
注文システムを上手に利用することで、適切なタイミングで損切りを実施できるようになります。
是非ともお試しください!