株式投資

投資で損切りできない理由をプロスペクト理論から考える

2021年7月8日

投資で損切りできない理由をプロスペクト理論から考える

こんにちは。TATです。

今日のテーマは損切りです。

なぜ人は損切りできないのか、その要因をプロスペクト理論から考えてみます。

 

プロスペクト理論を理解すると、人間がいかに合理性に欠けているかを理解することができます。

そして、多くの人が少しの含み益で急いで利確して、含み損を抱えてもダラダラと損切りできずに保有してしまう理由もわかります。

大切なことは、プロスペクト理論から人間の性質を理解して、損切り局面でこの考えを適用することです。

この知識があれば、損切りに躊躇している際に思い出して正しい判断ができるようになります。

 

投資で損切りできない理由をプロスペクト理論から考える

投資で損切りできない理由をプロスペクト理論から考える

プロスペクト理論とは?

まずは本記事のメインであるプロスペクト理論について簡単にご紹介します。

プロスペクト理論(プロスペクトりろん、英: Prospect theory)は、不確実性下における意思決定モデルの一つ。選択の結果得られる利益もしくは被る損害および、それら確率が既知の状況下において、人がどのような選択をするか記述するモデルである。

行動経済学における代表的な成果としてよく知られている。 期待効用仮説に対して、心理学に基づく現実的な理論として、1979年にダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーによって展開された[1]。 カーネマンは2002年、ノーベル経済学賞を受賞している。

(Wikipedia「プロスペクト理論」参照)

 

プロスペクト理論は、意思決定モデルの一つで、行動経済学では代表的な理論の1つです。

提唱されたのは1979年と古く、これを提唱したダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーは2002年にノーベル経済学賞を受賞しています。

「人間は合理的な判断ができない」ことを示した代表的な理論です。

 

【損失回避性】人間は損を嫌う生き物である

プロスペクト理論が示す認知バイアスの1つが損失回避性です。

 

損失回避性を理解するために次の条件を考えてみてください。

どちらか1つを選ぶとしたらあなたならどうしますか?

 

質問!

質問1:あなたならAとBどちらを選びますか?

  • A: 無条件に100万円もらえる
  • B: コインを投げて表なら200万円手に入るが、裏なら0円になる

質問2:あなたは200万円の負債を抱えています。AとBどちらを選びますか?

  • A: 無条件で負債が100万円減額されて、残高が100万円となる
  • B: コインを投げて表が出たら負債を全額免除となるが、裏なら何も変わらない

(Wikipedia「プロスペクト理論」参照)

 

人は目の前の利益を確実に手に入れようとする

まずは質問1についてみていきます。

大前提としてお伝えしておかないといけないことは、これらAとB、どちらも期待値は同じ100万円になります。

期待値が全く同じなので、普通に考えればたくさんの人に同じ質問をするとちょうど半々くらいに分かれると考えられます。

 

しかしながら、実際のところはAを選ぶ人が圧倒的に多い結果になることがわかっています。

ワンチャンで200万円狙うよりも、確実にもらえる100万円を選ぶ人が多いということですね。

 

この結果から、人間は目の前に利益があると、それを確実に手に入れようとする習性があることがわかります。

目の前に利益を得るチャンスがある場合には、確実に利益をゲットできるように考えが働きます。

50%の確率で何も手に入らないよりも、100%の確率で100万円をゲットしようとします。

僕もそうすると思いますw

 

人は損失をできるだけ回避しようとする

次に質問2を見てみます。

皆さんならどちらを選ぶでしょうか?

こちらの質問においても、AとBどちらを選んでも期待値は同じ−100万円です。

質問1を考慮すれば、質問2でも確実性の高いAを選ぶように見えます。

 

しかしながら、実験の結果では質問1でAを選んだ多くの人が、質問2ではBを選ぶという結果になりました。

驚きですよね。

このことから、負債を全額免除できるチャンスがあれば、確実に100万円減額するよりも、ワンチャン全額免除に賭ける人が多いということになります。

つまり、人間は損失する可能性をできる限り回避しようとすることがわかります。

100%の確率で100万円減額するよりも、50%の確率で全額免除しようと考える人が多いんです。

実に非合理的ですw

 

人は利益よりも損失に敏感に反応する

これら2つの質問から何がわかるのかというと、人間は利益よりも損失に敏感であるということです。

100万円の利益よりも、100万円の損失の方がダメージ的には大きく感じます。

これは損失回避性と呼ばれ、プロスペクト理論で示された人間の認知バイアスの1つです。

 

一応、利益と損失に関する人間の認知を数式に表したものがあるのですが、ここではややこしいので割愛します。

グラフだけご紹介するとこんな感じです。

(Wikipedia「プロスペクト理論」参照)

 

グラフを見ると、Gains(利益)よりもLosses(損失)の方が絶対値が大きくなるほどValueが大きく変動していることがわかります。

つまり、人間は利益よりも損失に過敏に反応するということを意味します。

 

プロスペクト理論を投資に活用する

プロスペクト理論、特に損失回避性を理解すると、なぜ投資で損切りできないのかが説明できるようになります。

 

損失回避性を投資場面に当てはめてみます。

質問!

質問1:保有銘柄が100万円の含み益を持っています。あなたならAとBどちらを選びますか?

  • A: 直ちに利確して100万円を手にいれる
  • B: 放置してさらに株価が上昇するのを待つ(※下落して含み益がなくなる可能性もある)

質問2:保有銘柄が100万円の含み損を抱えています。AとBどちらを選びますか?

  • A: 速攻で損切りして、次のチャンスを探す
  • B: 上昇すると信じて上がるまで放置する(※さらに下落する可能性もある)

 

損大利小になる理由〜損失確定を回避するw〜

プロスペクト理論を知った上で上記の質問を考えると、どんな結果になるかは予測がつくのではないでしょうか。

はい、おそらくですが、質問1ではAを選ぶ人が多く、質問2ではBを選ぶ人が多くなります。

損失回避性を知っていると、こういった人間の非合理的な動きを理解できるようになります。

 

含み益や含み損というのは、幻のようなもので売却するまでは確定しません。

そのまま放置しておけば変動します。

よって、利益が目の前にある含み益状態だと、下がる前にすぐに利確しようという考えになりがちです。

逆に、含み損を抱えている場合は、すぐに損切りするよりも、放置してワンチャン株価が上がるのを待とうとするわけです。

 

本来、我々が目指したいのは、損を小さくして利益を大きくする損小利大です。

株の本でも損小利大を目指して、素早い損切りを行いましょう〜と書かれています。

 

しかし、多くの人が全く逆のことをしてしまいます。

つまり、損をとことん大きくして、利益が小さい、損大利小です。

「頭でわかってるけど、どうしてこうなるんだ」と思う方も多いと思いますが、これは損失回避性で説明がつきます。

 

損失回避性をどう活かすか

さて、ここまでで損失回避性を理解しました。

なぜ多くの人が損切りできないのかも説明がつきました。

では、どうやって今後損切りを回避すればよいのでしょうか?

 

僕が考えられる対策は次の2通りかなと思います。

  • 損失回避性を認識したうえで、適切に損切りを判断する
  • 損失回避性を受け入れて、人間による判断が不要となる方法を利用する

 

1つ目はシンプルですね。

損失回避性を理解していれば、損切りの場面で自分が認知バイアスがかかっていることに気がつくことができます。

ここできちんとバイアスを克服できたらうまく損切りの決断ができるでしょう。

ただ、この認知バイアスを覆すにはなかなかの意志力が必要です。

そもそも損切り局面で、損失回避性をきちんと把握して正しい判断をすることができるでしょうか?

ぶっちゃけ、相当強い意志がないとなかなか難しいと思います。

慣れたらいけるでしょうが、いきなり考え方を切り替えるのは難しいです。

 

僕のオススメとしては2つ目の方法です。

つまり、損失回避性による認知バイアスを受け入れて、もはや人間による判断が不要となる方法を利用するというものです。

過去記事でもご紹介している逆指値はオススメです。

関連記事
【損切りできない方へ!】「損切り」の必要性について力説します【僕の損切りラインも公開】

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逆指値を利用すると、「〇〇円以下になったら売却」といったように、株価があらかじめ設定していた値を下回ったら問答無用で売却されます。

いざ、損切り場面になっても、認知バイアスを克服して損切りを実行することが容易ではありません。

それならば、無理に頑張ろうとせずに、事前に損切りの設定を済ませてしまって、あとはシステムにお任せしてしまいましょうというのが逆指値を使った損切りです。

これならば、人間が介入する余地はありません。株価が基準値以下になった瞬間速攻で損切りされます。

 

これで、認知バイアスに左右されることなく損切りを実行することができるはずです。

そして何度か損切りを食らっていると、損切りに対する抵抗も小さくなってきます。

「損切りしててよかった〜」と思うことも多くなるはずです。

ここまできたら、逆指値を使わずとも、状況を見つつ、己の意思で損切りすることができるようになると思います。

 

適切に損切りで損小利大を目指そう!

株式投資で継続して勝ち続けるためには、損失をできるだけ小さく抑えることが不可欠です。

大きな資産を築いてきた凄腕トレーダーは世の中にたくさんいます。僕も目指しています。

しかしながら、彼ら全員が損切りを一回もせずにここまでの資産を築いたかと聞かれると、ほぼ100%の人がNoと答えるはずです。

投資で百戦錬磨の勝率100%はあり得ません。

 

売買益を狙うアクティブトレードではなおさらです。

このような状況で資産を築くために必要なことは、損失を最小に抑えて利益を最大化することです。

言葉で言われると当たり前のことですが、実行できる人は多くありません。僕含めて。。。

損失を抑えて利益を最大化できるようなトレードができれば、たとえ勝率が50%未満でもトータル収支ではプラスに持っていくことは可能です。

 

大切なことは、投資では勝率は100%はあり得ないということを理解して、そのうえで損失を最小化することの重要性をきちんと理解することです。

そして、損失を最小化するためには損切りが肝になってきますが、多くの人が適切に損切りをできずにズルズルと引きずってしまいます。

この要因を説明してくれるのがプロスペクト理論の損失回避性です。

 

この認知バイアスを知っていれば、対策を考えることができます。

対策の1つが、逆指値を利用した損切りです。

逆指値を使えば、株価が基準値以下になると強制的に損切りが実行されるので、人間による判断が不要になります。

このような仕組みをうまく使いこなすことができれば、損失回避性といった認知バイアスに左右されることなく適切な損切りができるようになります。

 

投資で目指すべきは、損失を抑えつつ利益を最大化する損小利大です。

是非とも、損失回避性という人間のもつ認知バイアスを投資に活用していただければと思います。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ここでは、なぜ損切りがうまくできないのか、この理由をプロスペクト理論から考えてみました。

損失回避性という認知バイアスは、人間が合理的な判断がうまくできないということを証明しました。

 

損切りが適切にできないというのは、この損失回避性で説明がつきます。

この記事を読んで、プロスペクト理論を投資に活用していただけたら嬉しいです。

 

ちなみに僕自身も日本株では売買益を積極的に狙うアクティブトレードをしているので、継続的に勝つためにはこの損切りが必須になってきます。

適切に損切りができればたとえ勝率が50%未満でも、トータル収支ではプラスに持っていくことは可能です。

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ここまで読んでくださってありがとうございました。

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