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株式投資

【CAN-SLIM投資法】その①:C(当期四半期のEPSと売り上げ)

2021年8月29日

CAN-SLIM投資法

こんにちは。TATです。

今日のテーマはウィリアム・J・オニールさんのCAN-SLIM投資法です。

僕のバイブルとなっている「オニールの成長株発掘法」で紹介されている投資手法です。

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CAN-SLIM投資法とは、アメリカの著名投資家であるウィリアム・J・オニールさんが提唱した投資法で、「CAN-SLIM」は銘柄選定で重要となる7項目の頭文字を取ったものです。

 

ここではCAN-SLIM投資法の1文字目のCについて解説していきます。

CはCurrent Quarterly Earningsの頭文字になります。

日本語では当期四半期のEPSと売り上げと書かれています。

 

【CAN-SLIM投資法】その①:C(当期四半期のEPSと売り上げ)

【オニールの成長株発掘法】「CAN-SLIM」投資法

当四半期のEPSが前年同期比で大きく上昇した銘柄を探す

Cで重要視されているのが、当四半期のEPSが前年同期比で大きく上昇していることです。

株を買うときは、当四半期(最新の決算が発表された四半期)のEPSが前年同期比で、大きな伸び率を示している銘柄を選ばなければならない。

オニールの成長株発掘法」より

 

オニールさんによると、これまで株価が大きく上昇した銘柄を研究したところ、大きく上昇する直前の1〜2四半期でEPSが前年同期比に対して大きく上昇した銘柄が多かったと言っています。

1952年〜2001年の間に最も成長した600銘柄を分析すると、4銘柄中3銘柄が目覚ましい株価上昇を始める直前の当期四半期決算発表会で平均70%以上のEPS増加を見せている。
当期四半期ではEPS増加が発表されなかった企業でも、その次の四半期には平均90%の伸び率を見せているのだ!

オニールの成長株発掘法」より

 

ゆえに10%とかの上昇は小さすぎてカウントに入りません。

ずば抜けてEPSが上昇した銘柄を候補にしなければいけません。

 

純利益では判断できない。EPSの前年同期比との伸び率で判断する

EPSは純利益を発行済株式数で割ることで算出することができます。

ポイント

EPS = 純利益 ÷ 発行済株式数

 

業績の良し悪しを見るなら、利益だけで見ればいいのではないかと思うかもしれませんが、オニールさんの意見はNoです。

企業の総純利益がいくらかは考えるべきではない。企業をまるごと所有しているわけではなく、自分の割り当て分だけを所有しているのだから。過去12ヶ月の間に、その会社が新株を発行したかもしれないしそれ以外の方法で普通株の利益価値が希薄化されているかもしれない。だから、たとえ純利益は12%増だったとしても、EPS ーー投資家として最も注目すべきものーー は、たったの5%や6%しか上昇していないかもしれないのだ。

オニールの成長株発掘法」より

 

会社を丸ごと所有していれば利益で判断してもいいですが、我々が持つのは会社のごく一部です。

ゆえにいくら純利益が増えても、もし発行済株式数も増えて1株あたりの利益が下がっていたとしたら、自分が所有している分の利益で見ると下がっているわけです。

よって利益ではなく、必ずEPSで判断することが重要になります。

 

さらにEPSを見るには必ず前年同期比と比較します

直前の四半期と比較してはいけません。

企業のEPSは、季節性による変動の影響を排除するために、直前の四半期ではなく前年の同期四半期と比べること。つまり、12月が期限の四半期決算なら、直前の9月が期限の決算と比べるのではなく、前年の同じ12月が期限の四半期と比べることで、より正確な評価ができるのである。

オニールの成長株発掘法」より

 

また、前年同期比で比較するにあたって、一時的なものである特別利益については無視する必要があります。

継続的な収入ではないので当然ですね。

ゆえにEPSを見る際には、特別利益にも注意を払う必要があります。

一時的な急増に惑わされないように気をつけたいところです。

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どれくらいEPSが上昇していれば良いか?

ここまでで、EPSの重要性についてはわかりました。

次に基準値について触れておきます。

いくらEPSが急増した銘柄がいいとはいえ、ある程度の基準値がわからないとスクリーニングもできません。

オニールさんはこの点についてもきちんと言及しています。

 

結論からいうと25%です。

大きな成長と遂げた企業の研究から株価が上昇する前に、どの企業も必ず共通してこの割合以上のEPS増加を示していることがわかった。成功している投資家の多くは、EPS増加率の最低目標として25%や30%を設定している。

オニールの成長株発掘法」より

 

さらに1四半期のみではなく、2四半期連続でEPSが大幅に上昇していると成功確率は高まります。

上昇トレンドの場合はさらに厳しい基準を設けても問題なさそうです。

さらに成功率を上げるために、過去2四半期続けて、大幅にEPSが増加している銘柄を必ず選ぶのだ。強気相場(市場の大きな上昇トレンド)では、私自身は40〜500%を、あるいはそれ以上と飛躍的にEPSが増加した銘柄に絞るようにしている。幾千という銘柄から選ぶことができるのだ。最高の銘柄を買うに越したことはない。

オニールの成長株発掘法」より

 

よって、この基準値は相場環境によって変えても良さそうですね。

とりあえず25%に設定して、強気相場になったら引き上げるイメージで良いかと思います。

 

EPSのみでなく売り上げの増加にも注目する

EPSはとても重要な指標ですが、同時に売り上げの増加も注目すべき指標になります。

前述の通り、EPSは純利益から算出するものなので、経費削減などによる利益を増やすことは可能です。

この場合、たとえ売り上げが横ばいでもEPSは上昇します。

 

こういった企業を避けるために、必ず売り上げも増加している銘柄を選ぶこと重要になります。

四半期EPSが勢いを付けて上昇していても、売り上げが直前の四半期に少なくとも25%以上増加しているか、あるいは売り上げ増加率が直近3四半期で加速していることが最低条件である。

オニールの成長株発掘法」より

新しい株式(新規公開株)のなかには、直近8四半期、10四半期、または12四半期のそれぞれで、売り上げ増加率が平均100%を超えてくるものがある。そのような銘柄は詳しく調べてみる価値がある。

オニールの成長株発掘法」より

売り上げと収益の両方が過去3四半期で急速に伸び出した銘柄は、特に注目に値する。そのような急成長を見せた銘柄はどんなに利益を確定したくても、そこは我慢をして売ってはならない。しばらく保有しておくのである。

オニールの成長株発掘法」より

 

このように、EPSだけではなく売り上げも増加している銘柄を探す必要があります。

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2四半期連続でEPS増加率が減少したら注意

最後に注意点です。

いくらEPSの増加率が大きく見えても、それまでの増加率に比べて減少していたら要注意です。

四半期のEPS増加率の上昇している銘柄を確認することも重要だが、EPS増加率が失速し始めている銘柄や、著しく減少した銘柄を確認することも同じくらい重要である。毎四半期ごとに50%の増益を見せていた企業が、突如15%の増益にとどまるようなことがあったら、その銘柄は何らかの問題を抱えていることを意味している可能性があるため、買いは控えるべきだろう。

オニールの成長株発掘法」より

 

ただし、どんなに成長している企業でも一時的な落ち込みはあるものなので、すぐに警戒するのではなくて、2四半期連続でEPSの増加率が減少していたら注意するべきとオニールさんは主張しています。

ただし、どんなに優れた企業でも、一時的に業績が振るわないことはある。そこで、企業のEPSが悪化したと判断するのは、2四半期連続で著しく増加率が減少したことを確認してからにしたい。具体的には、前回の増加率に比べて3分の2以上の減少を目安にするとよい。例えば、100%の増加率が30%になったとき、あるいは50%が15%になったときなどである。

オニールの成長株発掘法」より

 

(おまけ)オニール銘柄を自動管理しています。

最後の最後におまけです。

本記事で紹介した内容をまとめると、確認すべき項目がシンプルにすれば以下の通りになります。

ポイント

  • 当四半期のEPSが前年同期比よりも25%以上増加している
  • 当四半期の売り上げが前年同期比よりも25%以上増加している

 

この当四半期のEPSと売り上げから選定した銘柄を、僕が運営する「投資でニート生活」で自動管理しています。

実際には少しバッファーを設けて、EPSと売り上げが前年同期比で20%以上増加した銘柄を監視銘柄に更新しています。

日本の銘柄をスクリーニングするとなると大変なので、最初の足切りとしてこちらのデータも是非ともご活用ください。

もしかしたら基準を20%→25%に今後変更するかもですw

「直近の決算短信から抽出した監視銘柄一覧」をみる

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ここでは、オニールさんのCAN-SLIM投資法の中でも、1文字目のC(Current Quarterly Earnings当期四半期のEPSと売り上げ)に焦点を当ててご紹介しました。

CAN-SLIM投資法は、アメリカの著名投資家であるウィリアム・J・オニールさんが提唱した投資法で、「CAN-SLIM」は銘柄選定で重要となる7項目の頭文字を取ったものです。

ここでご紹介したものは7項目のうちの1項目です。

その他の項目については次回以降に解説していこうと思います。

大化け銘柄を探し出すにはたくさんのスクリーニング作業が必要になりますが、ここでの努力は大きな成功につながるチャンスがあります。

 

僕の場合は、趣味のプログラミングの力を駆使しながら効率的に投資銘柄を選定していこうと思っています。

僕が運営する「投資でニート生活」には、監視銘柄の他にも色々なデータを収集して記事を作成しています。

投資に役立つ情報をいろいろと発信しているので、もしご興味がありましたら是非とものぞいてみてあげてください。

 

また、noteでは、「投資でニート生活」で収集しているデータや、スクリーニング銘柄を発表しています。

TATのnoteを見る

 

ここまで読んでくださりありがとうございました。

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