こんにちは。TATです。
今日のテーマは「大発会で上昇した銘柄はその年のテーマ銘柄になれるのか」です。
株式市場にはいろいろなジンクスとか傾向とかがあります。
今回検証するのは、「大発会で高騰した銘柄はその年のテーマ銘柄になる」というものです。
最近、株に関する記事を読んでいて知りましたw
本当のところはどうかというのを2021年のデータを使って検証してみようと思います。
ここでいい発見があれば是非とも今年に活用したいところです。
目次
大発会で上昇した銘柄はその年のテーマ銘柄になれるのか。【2021年のデータで検証】
データの準備
まずはいつも通りのデータ準備です。
僕が運営する「投資でニート生活」で収集しているデータと東証のデータを使います。
こちらの記事で利用したデータで株価データを弄ります。
【Pythonで株分析】2021年の株価騰落率を分析してみるとトレンドが見えた
続きを見る
用意したデータはこんな感じです。
ROEは決算で発表されていた最新のもので、時価総額は決算で発表されていた最新の発行済株式数と2021年12月30日の株価終値から計算しています。
適当にカラム名つけてしまったので解説します。
日付の株価データを用意
- 2020年12月30日(大納会)
- 2021年1月4日(大発会)
- 2021年12月30日(大納会)
騰落率などを計算
- 騰落率(2020-12-30基準):2021年12月30日と2020年12月30日の株価終値から計算した騰落率(%)
- 騰落率(2021-01-04基準):2021年12月30日と2021年01月04日の株価終値から計算した騰落率(%)
- 年初変化率:2021年01月04日と2020年12月30日の株価終値から計算した変化率(%)
- 年初出来高比:2021年01月04日と2020年12月30日の出来高から計算した比(倍)
さらに2021年の大発会に52週高値を更新した銘柄と、ストップ高となった銘柄も準備しました。
これらのデータを使って色々と検証してみます。
全体の騰落率を見てみる
まずはデータ全体を見てみます。
全銘柄の騰落率をヒストグラムにしてみます。
ここでは騰落率(2020-12-30基準)を使います。
いい感じの正規分布です。
中央値は1.13、平均は6.84、標準偏差は40.93となりました。
こちらの結果を参考にしつつ、いろいろな条件を設定して比較してみようと思います。
ストップ高銘柄で検証する
ストップ高銘柄で検証していきます。
僕が記事を見てて発見したのが、「大発会でストップ高になった銘柄はその年のテーマ銘柄となる」というものです。
→参考記事:【大発会】2022年人気株を占う大相場! 昨年ストップ高銘柄のその後から学ぶ「上手な付き合い方」
こちらの記事では大発会でストップ高になった銘柄の検証を行なっています。
ほぼ同じ結果になると思いますが、僕もやりますw
まずは大発会でストップ高になった銘柄を見てみます。
該当銘柄は20個です。
まずは結果をどうぞ。
銘柄名 | 市場・商品区分 | 33業種区分 | 17業種区分 | 規模区分 | 時価総額 | ROE | 2020-12-30 | 2021-01-04 | 2021-12-30 | 騰落率(2020-12-30基準) | 騰落率(2020-01-04基準) | 年初変化率 | 年初出来高比 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ticker | ||||||||||||||
1400 | ルーデン・ホールディングス | JASDAQ(グロース・内国株) | 建設業 | 建設・資材 | - | 25 | NaN | 273.0 | 311.0 | 192.0 | -29.67 | -38.26 | 13.92 | 9.87 |
2323 | fonfun | JASDAQ(スタンダード・内国株) | 情報・通信業 | 情報通信・サービスその他 | - | 10 | 7.50 | 460.0 | 521.0 | 310.0 | -32.61 | -40.50 | 13.26 | 18.72 |
3004 | 神栄 | 市場第一部(内国株) | 卸売業 | 商社・卸売 | TOPIX Small 2 | 40 | 23.20 | 811.0 | 961.0 | 1000.0 | 23.30 | 4.06 | 18.50 | 14.25 |
3559 | ピーバンドットコム | 市場第一部(内国株) | 卸売業 | 商社・卸売 | TOPIX Small 2 | 25 | 12.40 | 930.0 | 1080.0 | 522.0 | -43.87 | -51.67 | 16.13 | 1.73 |
4167 | ココペリ | マザーズ(内国株) | 情報・通信業 | 情報通信・サービスその他 | - | 169 | 16.40 | 7330.0 | 8720.0 | 2155.0 | -70.60 | -75.29 | 18.96 | 1.32 |
4169 | ENECHANGE | マザーズ(内国株) | 情報・通信業 | 情報通信・サービスその他 | - | 274 | NaN | 1225.0 | 1400.0 | 1992.0 | 62.61 | 42.29 | 14.29 | 0.30 |
4480 | メドレー | マザーズ(内国株) | 情報・通信業 | 情報通信・サービスその他 | - | 763 | NaN | 4540.0 | 5240.0 | 2372.0 | -47.75 | -54.73 | 15.42 | 3.03 |
4918 | アイビー化粧品 | JASDAQ(スタンダード・内国株) | 化学 | 素材・化学 | - | 31 | 0.20 | 511.0 | 611.0 | 602.0 | 17.81 | -1.47 | 19.57 | 1.76 |
6347 | プラコー | JASDAQ(スタンダード・内国株) | 機械 | 機械 | - | 35 | 8.30 | 361.0 | 461.0 | 394.0 | 9.14 | -14.53 | 27.70 | 9.42 |
6400 | 不二精機 | JASDAQ(スタンダード・内国株) | 機械 | 機械 | - | 45 | NaN | 1243.0 | 1485.0 | 493.0 | -60.34 | -66.80 | 19.47 | 1.79 |
6549 | ディーエムソリューションズ | JASDAQ(スタンダード・内国株) | サービス業 | 情報通信・サービスその他 | - | 27 | 22.80 | 3000.0 | 3700.0 | 973.0 | -67.57 | -73.70 | 23.33 | 4.24 |
6776 | 天昇電気工業 | 市場第二部(内国株) | 化学 | 素材・化学 | - | 61 | 2.40 | 555.0 | 655.0 | 356.0 | -35.86 | -45.65 | 18.02 | 1.81 |
6897 | ツインバード工業 | 市場第二部(内国株) | 電気機器 | 電機・精密 | - | 80 | 2.30 | 1362.0 | 1662.0 | 739.0 | -45.74 | -55.54 | 22.03 | 5.72 |
7342 | ウェルスナビ | マザーズ(内国株) | 証券、商品先物取引業 | 金融(除く銀行) | - | 931 | NaN | 2530.0 | 3030.0 | 2043.0 | -19.25 | -32.57 | 19.76 | 1.43 |
7360 | オンデック | マザーズ(内国株) | サービス業 | 情報通信・サービスその他 | - | 48 | NaN | 5200.0 | 6200.0 | 1670.0 | -67.88 | -73.06 | 19.23 | 0.88 |
7922 | 三光産業 | JASDAQ(スタンダード・内国株) | その他製品 | 情報通信・サービスその他 | - | 23 | -1.70 | 554.0 | 654.0 | 309.0 | -44.22 | -52.75 | 18.05 | 0.55 |
8139 | ナガホリ | 市場第二部(内国株) | 卸売業 | 商社・卸売 | - | 40 | -2.73 | 141.0 | 191.0 | 238.0 | 68.79 | 24.61 | 35.46 | 136.79 |
9941 | 太洋物産 | JASDAQ(スタンダード・内国株) | 卸売業 | 商社・卸売 | - | 20 | NaN | 388.0 | 468.0 | 1235.0 | 218.30 | 163.89 | 20.62 | 0.65 |
結果を見ていかがでしょうか?
「あれ、下がってんじゃん?」というのが正直な印象ですよね。
先ほどの記事と同じ感じです。
ヒストグラムでも比較してみます。
その他銘柄と比較すると、めちゃ下がってる銘柄の割合が多いですね。
注目されている銘柄は、上昇するのも早いけど、下落するのはもっとえげつないということがよくわかります。
下落に転じる前にうまいこと利確できないと大事故を招きます。
ついでに2021年の高値も算出して、それぞれの大発会の終値ベースでの騰落率を出してみました(一番右の「騰落率」です)。
銘柄名 | 騰落率(2020-12-30基準) | 騰落率(2020-01-04基準) | 年初変化率 | 年初出来高比 | 騰落率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
ticker | ||||||
1400 | ルーデン・ホールディングス | -29.67 | -38.26 | 13.92 | 9.87 | 38.26 |
2323 | fonfun | -32.61 | -40.50 | 13.26 | 18.72 | 25.72 |
3004 | 神栄 | 23.30 | 4.06 | 18.50 | 14.25 | 147.87 |
3559 | ピーバンドットコム | -43.87 | -51.67 | 16.13 | 1.73 | 26.94 |
4167 | ココペリ | -70.60 | -75.29 | 18.96 | 1.32 | 1.26 |
4169 | ENECHANGE | 62.61 | 42.29 | 14.29 | 0.30 | 227.86 |
4480 | メドレー | -47.75 | -54.73 | 15.42 | 3.03 | 15.08 |
4918 | アイビー化粧品 | 17.81 | -1.47 | 19.57 | 1.76 | 181.34 |
6347 | プラコー | 9.14 | -14.53 | 27.70 | 9.42 | 31.02 |
6400 | 不二精機 | -60.34 | -66.80 | 19.47 | 1.79 | 11.78 |
6549 | ディーエムソリューションズ | -67.57 | -73.70 | 23.33 | 4.24 | 24.32 |
6776 | 天昇電気工業 | -35.86 | -45.65 | 18.02 | 1.81 | 18.32 |
6897 | ツインバード工業 | -45.74 | -55.54 | 22.03 | 5.72 | 44.10 |
7342 | ウェルスナビ | -19.25 | -32.57 | 19.76 | 1.43 | 56.44 |
7360 | オンデック | -67.88 | -73.06 | 19.23 | 0.88 | 18.23 |
7922 | 三光産業 | -44.22 | -52.75 | 18.05 | 0.55 | 0.00 |
8139 | ナガホリ | 68.79 | 24.61 | 35.46 | 136.79 | 88.48 |
9941 | 太洋物産 | 218.30 | 163.89 | 20.62 | 0.65 | 297.44 |
これをみると、三光産業とココペリだけ残念な感じになってますが、その他は大きく上昇していることがわかります。
1年間の間でトレンドが変わり、下落に転じているパターンが多いように感じます。
うまいこと利確できていれば、しっかりと利益を作ることができそうです。
52週高値更新銘柄で検証する
お次に少し使うデータを変更して、52週高値更新銘柄で見てみます。
2021年の大発会に52週高値を更新した銘柄とその他銘柄で比較してみようと思います。
2021年の大発会で52週高値を更新した銘柄は全部で99銘柄ありました。
ちょっとデータ多すぎるのでヒストグラムで比較した結果だけご紹介します。
ストップ高ほどの大きな差は見られませんでした。
先ほど同様に2021年の高値を算出して大発会の終値から騰落率を計算してみます。
これもデータが多いので、統計値だけご紹介します。
平均で約40%というなかなかすごい上昇を見せています。
中央値は21.36です。
ストップ高ほどではないですが、それでも結構いい感じに上昇していることがわかります。
出来高を伴って大きく上昇した銘柄で検証する
最後に、出来高を伴って大きく上昇した銘柄で検証してみます。
基準として、大発会で前日比で株価が5%以上、出来高が2倍以上になった銘柄で見てみます。
該当銘柄は84個ありました。
こちらもデータ多いのでヒストグラムだけご紹介します。
ストップ高の時と同様に、下がっている銘柄の方が多いですね。
騰落率の統計データもまとめます。
平均で48%、中央値でも26.8%と、52週高値更新銘柄よりもいい結果となりました。
年初で出来高を伴って大きく上昇した銘柄というのはわりといい選択肢になるかもしれません。
データの分析・可視化にはPythonが最適!
本記事で紹介したコードは、全てPythonを使って書いています。
Pythonはデータの分析や可視化を得意とするプログラミング言語で、さらにAI関連のライブラリーも豊富で昨今のAIブームで需要が急拡大しています。
→ 【いますぐ始められます】データ分析をするならPythonが最適です。
また、Pythonは比較的学びやすい言語でもあります。
実際、僕は社会人になってからPythonを独学で習得して転職にも成功し、Python独学をきっかけに人生が大きく変わりました。
→ 【実体験】ゼロからのPython独学を決意してから転職を掴み取るまでのお話。
Pythonの学習方法についてはいろいろな方法があります。
僕はUdemyを選びましたが、書籍やプログラミングスクールも選択肢になります。
→ 【決定版】Python独学ロードマップ【完全初心者からでもOKです】
→ 【まとめ】Pythonが学べるおすすめプログラミングスクール
→ プログラミングの独学にUdemyをおすすめする理由!【僕はUdemyでPythonを独学しました!】
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ここでは、「大発会で上昇した銘柄はその年のテーマ銘柄になれるのか」というテーマでお話しました。
結論としては、年間の株価騰落率で見ると下落している銘柄が目立ちましたが、1年間の間にトレンド転換を迎えて下落に転じているパターンが多かった印象です。
10月以降は岸田首相が就任してから株価が大きく下がりましたからね。
トレンド転換をうまく察知して利確することができれば結構利益をゲットできそうな感じがします。
株価の天井を見極めるには、ディストリビューションが有効です。
【株価下落・暴落のサイン?】「ディストリビューション」について解説します【事例あり】
続きを見る
本記事のように、分析した結果をもとに投資をしてみるのもなかなか楽しそうです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。