こんにちは。TATです。
今日のテーマは「オニールの成長株発掘法のCAN-SLIM投資法」です。
過去に複数回に分けてCAN-SLIM投資法についてご紹介してきましたが、本記事ではそれらをまとめます。
CAN-SLIM投資法は、成長株投資で非常に有名な投資手法で、世界中で多くの投資家が参考にしています。
CAN-SLIM投資法の1番の特徴は、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の両方を駆使することです。
業績だけでもチャートだけでも不十分です。
どんなに業績が良い銘柄でもエントリーポイントを誤れば良い結果は得られませんし、業績を無視してチャートだけで判断するのもリスクが高いです。
双方を考慮して銘柄選定をしていくのがCAN-SLIM投資法です。
本記事では、オニールのCAN-SLIM投資法についてまとめるとともに、僕が管理しているデータについてもご紹介できればと思います。
CAN-SLIM投資法に必要な大概のデータは、プログラムで自動収集しています。
目次
【オニールの成長株発掘法】CAN-SLIM投資法のまとめ
「CAN-SLIM」は、銘柄選定で重要となる7項目の頭文字を取ったものです。
まずはそれぞれの頭文字が何を意味するのかをまとめていきます。
C(当期四半期のEPSと売り上げ)
CはCurrent Quarterly Earningsの頭文字で、当期四半期のEPSと売り上げを指します。
C = Current Quarterly Earnings
当期四半期のEPS(1株当たり利益)と売り上げ。EPSが上昇していること。少なくとも18〜20%、できれば40〜100%、あるいは200%以上が好ましい。上昇率は大きければ大きいほど良いが、さらに最近の四半期のどこかの時点で、加速度的に上昇していることが必須である。同様に、四半期売り上げも加速度的に上昇しているか、25%以上上昇しているべきである。
「オニールの成長株発掘法」より
上記の通り、当期四半期のEPSと売り上げが前年同期比に比べて大きく上昇していることがポイントです。
なおかつ加速度的に上昇しているとベターです。
【CAN-SLIM投資法】その①:C(当期四半期のEPSと売り上げ)
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A(年間EPSの増加)
AはAnnual Earnings Increasesの頭文字で、年間EPSの増加を指します。
A = Annual Earnings Increases
年間の収益増加。過去3年間、毎年大きな収益増加(25%以上)を続け、ROE(株主資本利益率)は17%以上(理想は25〜50%)であること。ROEが低すぎる場合は、税引き前利益が高いことが必須である。
「オニールの成長株発掘法」より
上記の通り、四半期ベースのみではなく、年間ベースで成長していることも必須ポイントです。
ROEについては、日本企業だと17%はかなりハードルが高いので、少し引き下げても良いかもしれません。
【CAN-SLIM投資法】その②:A(年間EPSの増加)
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N(新興企業、新製品、新経営陣、正しい株価ベースを抜けて新高値)
NはNewer Companies, New Products, New Management, New Highs Off Properly Formed Basesから来ていて、新興企業、新製品、新経営陣、正しい株価ベースを抜けて新高値を指します。
N = New Products, New Management, New Highs
新製品、新経営陣、新高値。新製品や新サービス、新経営陣、あるいは産業状況に見られた新たな変化などを探す。何よりも重要なのは、正しく形成されたベースから抜け出て新高値を付け始めた銘柄を買うことだ。
「オニールの成長株発掘法」より
業績が好調なことに合わせて、何かしらの強力な材料があると株価は大きく上昇します。
新製品や、新経営陣、新サービスなどがそれに該当します。
さらに言えば、いくら素晴らしい材料があっても適切なタイミングでエントリーすることができなければ成功確率は下がります。
ここは後述するテクニカル分析の部分です。
【CAN-SLIM投資法】その③:N(新興企業、新製品、新経営陣、正しい株価ベースを抜けて新高値)
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S(株式の需要と供給)
SはSupply and Demandの頭文字で、株式の需要と供給を指します。
S = Supply and Demand
株式の需要と供給(重要ポイントで株式の需要が高いこと)。現代のニューエコノミーにおいては、総資本の規模に制限はない。ただし、CAN-SLIMのすべてのルールに適合していることが必須条件である。適切に形成されたベースから抜け出るときに出来高が増加する銘柄を探すのだ。
「オニールの成長株発掘法」より
株式の需要と供給も重要です。
株価が上昇するには、大きな買い需要が必要です。
この買い需要が本当にあるのかどうかを見極めるには、出来高の動きを注視する必要があります。
ポイントとなる局面で出来高が増加していれば、成功確率が高まります。
【CAN-SLIM投資法】その④:S(株式の需要と供給)
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L(主導銘柄か、停滞銘柄か)
LはLeader or Laggardの頭文字で、主要銘柄か、停滞銘柄かを指します。
L = Leader or Laggard
主導銘柄か、停滞銘柄か。マーケットを牽引する主導銘柄を買い、停滞銘柄は避けること。特定の分野や地域で首位を行く企業の株を買うのだ。ほとんどの主導株は、レラティブストレングス指数が80〜90以上、総合評価も強気相場なら90以上になる。
「オニールの成長株発掘法」より
主導銘柄にエントリーすることも重要です。
停滞銘柄でも少しは上昇する可能性はありますが、主導銘柄にはかないません。
主導銘柄かどうかを見極めるには、後述するレラティブストレングスが役立ちます。
【CAN-SLIM投資法】その⑤:L(主導銘柄か、停滞銘柄か)
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I(機関投資家による保有)
LはInstitutional Sponsorshipの頭文字で、機関投資家による保有を指します。
I = Institutional Sponsorship
機関投資家による保有。機関投資家による買いが増加している銘柄を買うこと、そして少なくとも最近の投資成績がトップの投資信託マネージャー1〜2人が買っている銘柄を選ぶことである。さらに、経営陣が自社株を所有している企業を探すと良い。
「オニールの成長株発掘法」より
株価が大きく上昇するには大きな買いが必要になります。
この大きな買い需要には機関投資家のエントリーが必須です。
中でもここ最近の投資成績が良い機関投資家がエントリーした銘柄にエントリーできれば勝率はさらに上がります。
また経営陣が自社株を保有していると、株価の上昇は自分の利益に直結するので、株価上昇にコミットする可能性が高いです。
【CAN-SLIM投資法】その⑥:I(機関投資家による保有)
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M(株式市場の方向)
LはMarket Directionの頭文字で、株式市場の方向を指します。
M = Market Direction
株式市場の方向。日々の平均株価と出来高の動き、および個々の主導銘柄の動きを正確に読み取り、マーケット全体の方向性を判断する方法を学ぶこと。これにより勝ち組に入れるか、それとも負け組で終わるのかが決まる。常にマーケットの動きを把握することが重要である。マーケットを知らずして利益を出すことはできない。
「オニールの成長株発掘法」より
どんなに業績の素晴らしい銘柄があってみ、どんなに完璧なタイミングでエントリーできても、マーケットの方向が悪いと大きな利益を出すことは難しくなります。
マーケットがどちらの方向に向かっているのかを見極める方法がわかると、勝率が上がります。
【CAN-SLIM投資法】その⑦:M(株式市場の方向)
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チャート読解術を身につける
次にテクニカル分析に焦点を当てます。
CAN-SLIM投資法では、チャートを読み解くことも重要になります。
チャートパターンでエントリーポイントを見極める
特にカップウィズハンドルに代表されるチャートパターンを見極める能力が非常に重要です。
実際に、「オニールの成長株発掘法」では、最初の100ページ以上がチャートで占められています。
ここで徹底的にチャート読解術のスキルを磨くことができるようになっています。
それくらいチャートを読み解く力は重要です。
【CAN-SLIM投資法】「カップウィズハンドル」に代表されるチャート読解術を身につける
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下落のサインを見極める
また、投資で多くの利益を得るためには、マーケットが下落する前に資金を引き上げておく必要があります。
このマーケットが下落するサインについても言及されています。
それがディストリビューションです。
ディストリビューションが頻発すると、高確率でマーケットは下落に転じます。
このサインを利用すれば、リーマンショックやコロナショックからも自分の資金を守ることができました。
【株価下落・暴落のサイン?】「ディストリビューション」について解説します【事例あり】
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損切り
どんなに素晴らしいタイミングでエントリーできたとしても、明確な損切りラインは必須です。
株式投資で継続的に勝ち続けるためには、攻めよりも自分の資金を正しく守ることも重要です。
オニールさんは、ピボットポイントから7〜8%下落したら損切りするように主張しています。
【損切りできない方へ!】「損切り」の必要性について力説します【僕の損切りラインも公開】
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プログラムでデータを自動収集しています
ここまでで、「オニールの成長株発掘法」のCAN-SLIM投資法についてまとめてきました。
業績もチャートをチェックしないといけないので、確認するデータ量としてはなかなか凄まじい量になります。
しかしながら、投資で成功するにはこれくらいたくさんのフィルターに通して銘柄を厳選する必要があるということでもあります。
ここで紹介したもの全てを毎日チェックするのは大変なので、僕が運営する「投資でニート生活」では、プログラムによるデータの自動収集をしています。
収集したデータをもとにスクリーニングをしたり、チャートのシグナル検知などをしています。
これにより、情報収集による作業量を大幅に削減することができ、より多くの時間をチャート分析や銘柄分析に当てられるようになりました。
データの一部は「投資でニート生活」で公開し、より細かいデータは「note」で発信しています。
いくつか収集しているデータをご紹介します。
決算と業績予想データ
TDNETやEDINETから、XBRLデータを収集しています。
対象としているのは、決算短信、業績予想修正、有価証券報告書、四半期報告書です。
ここでCAN-SLIM投資法で必要なEPSや売上高、ROEなどを収集することができます。
収集したデータをもとに、「投資でニート生活」では記事を自動生成しています。
そして直近の四半期決算で業績が好調と判断した銘柄は、「直近の決算短信から抽出した監視銘柄」で管理しています。
ここに登録している銘柄は、直近の四半期決算でEPSと売上高がともに前年同期比で20%以上成長している銘柄です。
レラティブストレングス
レラティブストレングスについても、独自のものを毎週土曜日に計算して発表しています。
実際の計算方法は公開されていないので不明ですが、調べてみると結構信憑性が高そうな計算方法が見つかったので、これを日本株に適用して計算しています。
2023年Q3(7〜9月)の運用実績(+ 99,151円)- 本業忙しくてほぼ株見てなかった。。。
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レラティブストレングスが95以上の銘柄に関しては「投資でニート生活」で無料公開しています。
「note」では、全データや過去推移データを公開しています。
ディストリビューション
マーケットの転換のサインになるディストリビューションについてもプログラムで自動判断しています。
【株価下落・暴落のサイン?】「ディストリビューション」について解説します【事例あり】
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日本株とアメリカ株で主要株価指数を対象に、毎日ディストリビューションの有無を確認して、もし発生が検知されたらTwitterで自動ツイートしています。
僕のアカウントをフォローいただければ勝手に通知が来るので、もしよろしければフォローしてください。
大量保有報告書
大量保有報告書についてもEDINETよりXBRLデータを収集しています。
大量保有報告書を利用すれば、機関投資家の売買を追うことができます。
特に新規で買いが入っていれば、その機関投資家は中長期的にその銘柄の株価が上昇すると見込んでいることが確認できます。
こういった銘柄にエントリーできたら勝率は上がります。
こちらについては現状はデータ収集のみで、「投資でニート生活」で記事作成は行なっていません。
まとめたデータは「note」で発信しています。
その他諸々
ここまで「投資でニート生活」で収集しているデータをいくつかご紹介しましたが、他にも様々なデータを収集しています。
52週高値・安値や出来高が急増した銘柄や決算後の株価騰落率、自社株買いや株式分割を発表した銘柄、ストップ高・ストップ安銘柄なんかも集めています。
52週高値は、過去1年間で最高値をつけたことを意味するので、エントリータイミングとして利用できます。
連日で更新した銘柄には何かしらの変化が起きている可能性が高いです。
こういった銘柄にはチャンスが潜んでいます。
「note」では、52週高値更新銘柄の過去推移データを配信しています。
今後も収集するデータについては随時増やしていこうと思っています。
(おまけ)トレンドテンプレート
最後におまけとしてトレンドテンプレートをご紹介しておきます。
トレンドテンプレートは、オニールと並ぶ伝説的な成長株投資家であるミネルヴィニによって提案された手法です。
「ミネルヴィニの成長株投資法」で紹介されています。
これを使うと株価が上昇局面にいる銘柄をスクリーニングすることができます。
株価には4つのサイクルがあり、我々が投資すべきステージは第2ステージの上昇局面です。
【ミネルヴィニの成長株投資法】株価を形成する4つのステージとは?狙うべきは第2ステージ!
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トレンドテンプレートを使えば、第2ステージにいる可能性の高い銘柄をあぶりだすことができるので、「投資でニート生活」では毎週チェックしています。
該当銘柄は「週足チャートから抽出した監視銘柄」に登録されます。
このデータを組み合わせると、さらに投資精度を高めることができるので是非ともご活用ください。
noteではより詳細なデータを発表しています
最後にお知らせです。
ここまでご紹介してきたデータに一部は、僕が運営する「投資でニート生活」で公開していますが、より細かいデータについては「note」で公開しています。
「note」では、様々なデータを組み合わせた、より高度なデータを公開しています。
誰でもスクリーニングできるようにCSV形式でデータをまとめているので、パソコンさえあれば気軽にご利用いただけます。
今後も配信するデータの種類については増やしていくつもりなので、もしご興味があればご覧ください。
まとめ
いかがでいたでしょうか。
ここでは、過去に複数回に分けてご紹介してきた「オニールの成長株発掘法のCAN-SLIM投資法」についてまとめました。
投資で成功するには、ここで紹介したような様々なデータを確認して銘柄を厳選し、さらにチャートを駆使して適切なエントリータイミングで買うことが重要になります。
さらに日々のマーケットの動きを確認して、下落に転じそうな場合には資金を守る必要もあります。
投資で圧倒的な成功を収めるためには多くの努力が必要になります。(そこそこの成功ならETFとかで十分ですw)
これらの情報をすべて考慮することはとても大変です。
しかし、プログラムなどでデータをある程度自動収集・管理することができればかなり効率的なこれらの銘柄選定作業を行うことが可能です。
僕が運営している「投資でニート生活」では、株式投資に必要な様々な情報を自動収集して管理しています。
一部データが無料公開しているので、是非ともご利用ください。
より細かいデータは「note」で発信中です。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。